残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

バカ親の子供はバカ。家庭環境も教育も無駄。知能の7割は遺伝で決まる。子供の性格の半分も遺伝によって決まる。どんなに教育を受け、努力しても報われるものではない。好きなことで生きていこうとしても、好きを仕事にすれば成功できる保証はどこにもない。絶望的に思えるこの世界を生き延びるためには、やればできるという根拠のない仮説を信じて挫折するのではなく、自分の能力の限界は先天的に決まっていて努力してもどうすることもできないということを認め、どのように生きていくのかを考えることの方が本当の幸福への近道である。そのためには、ロングテールの先の先、つまりニッチな部分を突き詰めていくことだけがこの残酷な世界を生き延びる残る唯一の方法だろう。

 

《ころっけの感想》

なるほどね。頑張っても努力してもできないことってあるもんね。遺伝子工学である程度の能力が決まってしまっているなら、なんで自分はできないんだろうって悩むことなんてないもんね。落ち込んで、傷ついて、嘆くことがあったときは、こういう考え方もあるんだって思うと少し楽になれる気がする。好きなことや得意なことは、確かにお金儲けにはつながらないかもしれない。だけどそれを突き詰めると、知らないうちにそれが仕事や収入につながっていくことはあるかもしれないね。大成功して大金持ちになれなくてもいい。ほんの一部の人だけでも自分のものすごく好きで得意な部分をいいと思ってくれて、生きていけるだけの最低限の稼ぎがあれば、それだけで幸せに生きていけるかもね。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 橘玲(著)