「おなかのカビ」が病気の原因だった (日本人の腸はカビだらけ)

食後、異常におなかが張る。食べても食べてもおなかがすく。すぐ甘い物が欲しくなり、買い物に行くと、パンや甘い物を入れている。食後に異常な眠気が起こる。頭がボーッとして集中できない。酔ったようにふわふわする。なんだかいつもだるい。もしこういった謎の症状に悩まされていたら、それはあなたのおなかのカビが原因かもしれない。実はどんなに健康な人のおなかにもカビは存在している。ただ、通常おなかのカビは1%ほどで、腸内細菌と健全なバランスが取れていればそれ以上増えることはない。しかしなにかしらの原因で腸内のカビが増えてしまうと、そのカビは腸壁にまとわりつき、腸の粘膜を破壊する。それによって腸に穴があき、食べ物の成分や菌、悪玉菌の出した毒素など腸内の未消化物や異物が血中に入ってしまう。これにより、リーキーガット症候群という、「腸漏れ」の状態になってしまい、肌荒れ、アレルギー、花粉症、便秘、肥満、生活習慣病、精神病、自己免疫疾患などの不調が起こる。おなかのカビはエネルギー源として特に糖質や炭水化物を必要とするので、おなかの中のカビに、エネルギーを横取りされると低血糖になる。だからあなたはまた無意識に甘い物が食べたくなる。甘い物を食べると血糖値スパイクを起こし、血糖値が急にドカーンと上がる。すると血糖値を下げるためにインスリンが出る。インスリンが血糖値を下げると、また低血糖になり、だからまた食べたくなる。低血糖になると空腹、吐気、息が切れる、息が詰まる、キレやすい、抑うつ、絶えず悩む、不安、集中力の欠如、自殺志向、手足の冷え、疲れやすい、眠気などの症状が現れる。低血糖高血糖を繰り返すと、脂肪細胞が大きくなり、太りやすくなる。おなかのカビを増やさないためには、安易に抗生物質を取らない、甘いものやカビの生じやすい食品を食べない、できる限りカビが発生しないよう部屋や風呂場などをきれいにすることが重要である。カビやすい住居に住んでいて体調が悪い場合は引っ越しすることも考慮するとよい。

 

《ころっけの感想》

2017年9月に厚生労働省が公表した、「抗微生物薬使用の手引き」という医師向けの手引書に、「風邪に対しては抗生物質投与を行わないことを推奨する」とあるのね。だから最近では風邪を引いたときに抗生物質を出さない病院も増えてきているんだね。ただ現状では90%の医療機関で風邪をひいて病院に行くと抗生物質を処方するんだってよ。風邪の原因はウイルスだから、細菌をやっつける抗生物質を飲んでも意味がないの。それどころか抗生物質のせいで腸内細菌が死んで、体の免疫力が低下しちゃうんだって。なんてこった!本当に必要なときに必要な抗生物質は取るべきだけど、昔の名残で風邪薬として抗生物質を出されたときは、本当に必要なのか先生に聞いたり、自分で自分の身体を守ることも大切ね。それと、家畜のえさに抗生物質を混ぜている場合、そうとは知らずにお肉を食べて、知らず知らずのうちに抗生物質を取っていることもあるなんて驚きよ。健康にいいからナッツも食べたい食品だけど、ナッツはカビが生えやすいものだから、保存方法には気をつけなきゃね。あとね、ころっけが気になるのは、歯ブラシのカビよ。毎回きれいに洗っているつもりでも歯ブラシってどうしても湿気が多い場所にあるじゃない。せっかく歯を磨いても、カビ付き歯ブラシで歯を磨いていたら、カビが体内に入っちゃう。だから使った歯ブラシはきれいに洗って、しっかり水分を乾燥させて、定期的に新しい物に取り換えたいね。

「おなかのカビ」が病気の原因だった(日本人の腸はカビだらけ)内山葉子(著)